STUDY
株式会社ニトリ様
説明会予約システムが
オープニングスタッフ採用業務を改善
家具の販売やリフォーム工事の受付などを取り扱う大型店のニトリ、ホームファッションを取り扱うデコホームに加え、多くのチェーンストアがテナントとして入居するショッピングセンターであるニトリモール、更には米国・台湾での海外出店も積極的に展開する株式会社ニトリは、新規出店時のオープニングスタッフ採用に、長らく大きな課題があった。
オープニングスタッフの採用をどうすれば良いのか
大型店であるニトリのオープニングスタッフ採用は、説明会を開催し、短期間に数百人の応募を集めることから始まる。求人広告媒体にオープニングスタッフ募集広告が掲載される日は、同社の人材開発部に緊張が走る。大量の電話が掛かってくるからだ。
説明会は、数日間に渡り、時間枠を区切って定員制で開催される。電話で応募者の氏名と連絡先を正確に聞き取り、書き留め、定員枠を埋めていく作業を、鳴り止まない電話に対して複数名の担当者が並行して進めることが困難であることは言うまでもない。応募者の電話はもちろん、キャンセルや予約日時変更の相談もある。ということは、既に定員が満たされた枠であっても「キャンセル待ち」を受け付けねばならない。席に空きが出れば「キャンセル待ち」応募者に対し電話を掛け、席を埋める。
単に忙しいだけでなく、どうしても、応募者との行き違い、そしてそれによる説明会座席数の過不足が常態化していた。
説明会の予約をインターネットで受け付けられないか?
同社が着目したのは、モバイルインターネットの普及状況だった。
ニトリのパート・アルバイト応募者は、その多くが主婦層であり、40歳代がボリュームゾーンだ。社内には、「主婦の方たちに対し、インターネットで予約せよというのは、乱暴ではないか?」という問題提起もあった。しかし、性別・世代に関わらず年々伸び続けるモバイルインターネットの普及グラフが、同社の背中を押した。
「求人広告にQRコードを貼り、予約受付サイトに集客する。広告には、電話で予約を受け付けないと明記する。」
人材開発部は決断した。
説明会予約システムの完成
2010年10月、同社はHRソリューションズに説明会予約システムの開発を指示した。
・「予約枠」と「キャンセル待ち枠」を分けて管理したい
・「予約できた応募者」が「他の枠に重複応募」できないようにしたい
・「キャンセル待ちした応募者」は、「他の枠もキャンセル待ち」できるようにしたい
・登録メンバーは、希望の店舗を選んで応募できる。
・マッチングしなかった店舗には、本部がメンバーを検索して主導マッチング
・定員は職種ごと/シフトごとに設定したい
要件定義の議論は白熱し、オープニングスタッフの採用業務が大いに改善されることを、全ての関係者が確信を深めていった。
2011年初秋、説明会予約システムが完成、QRコードを貼った求人広告が街に配布された。
劇的な業務改善とコストダウンの実現
説明会予約システムは、同社のオープニングスタッフ採用業務を一変させた。
これまで、「あと何席、空いているのか?」を把握することさえも困難だった説明会予約枠管理は、システム化により完全なリアルタイムで、複数の担当者が正確に把握できるようになった。もう、応募者との行き違いも、座席の過不足も無縁であった。心配していた主婦層のモバイルインターネット応募は、杞憂であったことが確認された。応募者の性別・年代の分布は、システム化の前後で全く変化が無かった。
そして、説明会予約をインターネット上で受け付けたことは、大きな副産物を産んだ。
多くの応募者が、「ニトリが新規出店すること」を聞きつけ、自らYahoo!やGoogleで検索し、「ニトリの説明会予約ホームページ」に辿り着いた。即ち、求人広告媒体の掲載回数を抑制することができた。新規出店のたびに要した多額の求人広告費用が、削減された。
更なるインターネットの活用
パート・アルバイトの採用に、インターネットが非常に有効なツールであると確信した同社は、2012年春、採用ホームページをリニューアルすることを決定した。
業態ごと、ポジションごと、シフトごとに、募集ターゲットをプロファイリングし、ホームページ制作の企画を詰めた。10人のパート・アルバイトをインタビューし、「ニトリ アルバイト」だけでなく、「事務 ダブルワーク」「主婦 配送」「大学生 物流」など、幅広い検索キーワードで上位表示を獲得する採用ホームページが完成した(下記リンク先参照)。同社のインターネット活用は、今後も更なる発展を遂げていく。